◆東京風呂日和◆
Vol10.根津エリア「六龍鉱泉(2)」
■昭和6年発行・『東京市』の温泉証明書。
六龍鉱泉のお湯は、茶褐色で歴とした温泉である。
脱衣所に年季の入った温泉証明書が掲げられていたので、ふむふむと何気なく読んでみると、「東京市衛生研究所」の文字が。
東京市?都内にそんな市、あったっけ?
女将さんに聞いてみると、この証明書は昭和6年のもので、昭和ヒト桁時代、まだ東京都は「東京市」だったという。
つまり70年以上前の証明書ということだ。
70年前にしてはきれいに保存されており、効能書きも筆書きで添えられている。
このようなレトロな証明書が、きちんと管理されていることに感動すら覚えてしまい、お湯の熱さも効能のひとつだと、あわててもう一度湯船に浸かったりする。
……ソノ気になりやすい性格である。
■銭湯然とした佇まいに、文句なし!
お湯の熱さ・効能もさることながら、六龍鉱泉の佇まいは、文句のつけようがないほど「銭湯然」としている。
そのポイントとして箇条書きでざっと書き連ねてみた。
<六龍鉱泉のポイント>
● 外観
- 細い路地裏に、ひっそりと建っているのが奥ゆかしい。
- 唐破風の入口屋根に、下駄箱の鍵は松竹錠。
● 浴室
- 男女にまたがる見事な「錦帯橋(きんたいきょう)」の壁画。
- お湯をかきまぜるための、木のかきまぜ棒が設置されている。
(年季入り)
● 脱衣所
- 昔ながらの体重計と、アイスクリームの冷蔵庫がある。
もちろん番台アリ。
- 小さな庭があり、池に鯉が泳いでいる。
- 休憩テーブル上に、灰皿と「ツルツルマッチ」。
まさにイメージを裏切らない、『ザ★銭湯』なのである。
六龍鉱泉:東京都台東区池之端3-4-20
TEL:03-3821-3826
地下鉄千代田線根津駅より徒歩7分。
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