東京風呂日和


Vol7.浅草エリア「蛇骨湯(2)」

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これぞ日本の心、春霞みの富士山が浅草に。

壁画の富士山というと、やたら情景が派手で造りものっぽいものが多い。

それはそれで十分味があるわけだが、ここの富士山はちょっと様子が違う。

朝日が昇りだす前の、ほんのりと春霞みがかかっている富士山、といったところだろうか。

なんともいえないシブさがあり、思わず溜息がこぼれてしまう。


晴天の中にそびえ立つ富士山も美しいけれど、最も日本人が愛しているのは、こういう趣きのある富士山ではないだろうか!などど、ひとりで大いに納得しながら湯に浸かる。

「メタけい酸」と「重炭酸ソーダ」を含んだ黒湯は、肌の上をするすると滑るようにやわらかい。

なんというか、お湯のきめが細かいという感じだ。

とりあえず体を洗ってゆっくり楽しもうと、いったん湯船から上がって石鹸を使うと、心なしか石鹸の泡立ちもいいような気がした。


内風呂なのに、庭園つき露天風呂!?

実は、浴場に入った時からずっと気になっていた。


カランの片隅にある木造・屋根付の空間が!都内の露天風呂というのは立地的に難いため、四方を壁で囲ってムリヤリ作っているところがあるが、ここはまたちょっと趣向が違う。

内風呂を『露天風呂』風にしてあるのだ。

正確にいえば、半・露天風呂になるのだろうか。

屋内に岩風呂を設け、岩づくりの庭園でさりげなく外界を遮っている。


しかし、この写真を見てほしい。

はっきりいって露天風呂といっても過言ではない風情を醸し出している。

もっと言ってしまえば、そんじょそこらの露天風呂よりも露天風呂然としているのだ。

庭にある小さな滝のせせらぎを聞きながら、黒湯の岩風呂に浸かっていると、あまりの気持ちよさに、銭湯料金で入浴していることが申し訳なくなってしまった。

蛇骨湯
東京都台東区1-11-11
TEL:03-3841-8645


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