◆東京風呂日和◆
Vol5.中野エリア「昭和浴湯(2)」
■風呂屋の三代目はマジシャン
「そもそもはマジシャンで、通称『タジマジック』。
毎週ショーに出演してますよ」
と昭和浴場・三代目ご主人の田島さん。
昭和浴場は、彼の祖母が50年前に作った銭湯であり、父が二代目を務めてきた。
ところが3年前、病に倒れてからは彼が三代目を継ぎ、“マジシャン”と“風呂屋の主人”という二足の草鞋を履いているという。
「両立するのは確かに大変です。
休日なんてものはありませんしね。
でも、ボクはマジック歴20年の中で、いつでも日本一を目指してきました。
風呂屋もやるからには、日本一になりたいと思っています」 その日本一計画の1つがサウナ。
サウナ料金は通常400円はするものだが、この銭湯では100円で提供しており、金曜日の夜はサービスデーで午前1時までは15円、1時以降は1円で利用できる。
そのほかタオルやシャンプーを300円で貸し出す「手ぶらセット」など、さまざまな趣向をこらしている。
そして、なんといっても目玉は『タジマジック』。
「銭湯に通ってくれるお客さんに頼まれれば、いつでもご披露しますよ」
若者が楽しそうに集う昭和浴場。
それはある意味、もう日本一といえるのかもしれない。
■どでかい富士山に、天然の井戸水風呂
これは、これは。
つい、頭が下がってしまうほどの立派な富士が、正面に鎮座ましましている。
これだけ壮大な富士は、東京でちょっと見かけることは難しい。
また天然の井戸水風呂というのも珍しい。
サウナから出たあとにサバーッとひっかけるあれだ。
サウナに縁のない人間には、ちょっとピンとこないかもしれないが、サウナ通には水風呂の善し悪しが重要なポイントとなる。
さっそくサウナでじっとガマンを重ね、ウウッ、もう限界だぁ!となったところで、ザバーッと水風呂になだれこむ。
……クーッ。
なんともいえない、この世の極楽。
刺さるようでなく、それでいてぬるすぎず。
さすがに井戸水、まさに絶妙な水加減。
熱とともに体にたまった汚物が、スーッと蒸発していく……。
左耳から右耳へと、頭の中にまで新鮮な風が吹き抜けていった。
昭和浴場:東京都中野区中央5-21-12
TEL.03-3382-2414
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