東京風呂日和


Vol5.中野エリア「昭和浴湯(2)」


風呂屋の三代目はマジシャン

「そもそもはマジシャンで、通称『タジマジック』。

毎週ショーに出演してますよ」
と昭和浴場・三代目ご主人の田島さん。

昭和浴場は、彼の祖母が50年前に作った銭湯であり、父が二代目を務めてきた。

ところが3年前、病に倒れてからは彼が三代目を継ぎ、“マジシャン”と“風呂屋の主人”という二足の草鞋を履いているという。


「両立するのは確かに大変です。

休日なんてものはありませんしね。

でも、ボクはマジック歴20年の中で、いつでも日本一を目指してきました。

風呂屋もやるからには、日本一になりたいと思っています」 その日本一計画の1つがサウナ。

サウナ料金は通常400円はするものだが、この銭湯では100円で提供しており、金曜日の夜はサービスデーで午前1時までは15円、1時以降は1円で利用できる。

そのほかタオルやシャンプーを300円で貸し出す「手ぶらセット」など、さまざまな趣向をこらしている。

そして、なんといっても目玉は『タジマジック』。


「銭湯に通ってくれるお客さんに頼まれれば、いつでもご披露しますよ」
若者が楽しそうに集う昭和浴場。

それはある意味、もう日本一といえるのかもしれない。



どでかい富士山に、天然の井戸水風呂

これは、これは。


つい、頭が下がってしまうほどの立派な富士が、正面に鎮座ましましている。


これだけ壮大な富士は、東京でちょっと見かけることは難しい。


また天然の井戸水風呂というのも珍しい。

サウナから出たあとにサバーッとひっかけるあれだ。

サウナに縁のない人間には、ちょっとピンとこないかもしれないが、サウナ通には水風呂の善し悪しが重要なポイントとなる。


さっそくサウナでじっとガマンを重ね、ウウッ、もう限界だぁ!となったところで、ザバーッと水風呂になだれこむ。

……クーッ。

なんともいえない、この世の極楽。

刺さるようでなく、それでいてぬるすぎず。

さすがに井戸水、まさに絶妙な水加減。


熱とともに体にたまった汚物が、スーッと蒸発していく……。

左耳から右耳へと、頭の中にまで新鮮な風が吹き抜けていった。

昭和浴場:東京都中野区中央5-21-12
TEL.03-3382-2414


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