◆東京風呂日和◆
Vol12.調布エリア「深大湯(1)」
■なんじゃこりゃ!?の極上湯
はっきりいって、深大湯の湯はショッキングだった。
なにせお湯がトロリンとしていて、肌にまとわりついてヌルヌルするほど。
しかもシャンプーや石けんの泡立ちが尋常ではなく、いくら洗っても洗っても石けんががとれない。
「はじめてこの湯に入るお客さまは、みなさんそう言うんですよ。
でもヌルヌルしていても、ちゃんと石けんは落ちていますのでご安心ください」とご主人。
この銭湯のお湯は、イオン交換機によりカルシウム、鉄、マンガンなどをすべて取り除いた軟水を使用しているため、こういう現象が表れるのだという。
しかし、肌が乾いていくうちにしっとりツヤツヤ、まるで全身に化粧水を使ったような感覚に。
正直、ヘタな温泉よりもよっぽど上質のお湯である。
「軟水を導入した当時は、みなさん『石けんが落ちない!』と、どんどんお湯を使われるので、タンクのお湯が空っぽになってしまうこともありましたよ」
特筆すべきは、このお湯が普通の銭湯価格、つまり400円で入浴できるということ!
400円でエステ気分を味わえるという、このオイシサ。
あれよあれよという間に、女性の口コミから火がつき、深大湯は連日、大賑わいをみせている。
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