湯煙コラム


■佐藤唯(さとう ゆい)
「愛情あふれる、うれしい言葉『風呂さ入ってけ〜』」


佐藤唯(さとう ゆい)

私は山形県出身なのですが、山形には温泉がいっぱいあって、子どものころは家族でよく出かけていました。
なかでも印象に残っているのは湯野浜温泉。海のすぐそばにあるから、昼はたっぷり泳いで、夜は旅館で温泉に入ってと楽しい思い出です。
地元の寒河江市にも温泉がいっぱいあって、近所の温泉にも行っていました。今は忙しくてなかなか帰れませんが、それでもお休みができた時は地元さ帰って友達と温泉に行ったりします。
このあいだは、友達がかみのやま温泉に連れて行ってくれました。上山城のすぐそばにある足湯は、上山城を見ながら入れて、とってもよがっだなぁ。山形県出身だといっても意外に故郷のよさを知らねぇもんだと思いました。

今、お仕事で毎週全国のいろんな所に行かせてもらっているのですが、ロケでお世話になったじいちゃんばあちゃんに、よく「風呂さ入ってけ〜」ってすすめてもらうことが多いです。農作業などをお手伝いするロケなので、汗をかいただろうからって気遣いだと思うんです。友達でもない、親戚でもない、初めて会った方々の家のお風呂に入る機会なんてなかなかないですよね。いつも当然のように「風呂沸かしてあっから」って言ってもらいます。同じお風呂に入るってやっぱり親しくないとできないことだから、それだけ私のことを思ってくれているんだなぁとうれしくなりますね。でも、日帰りのロケが多いので、時間があまりなく、実際に入らせてもらうことはないんですが、「風呂さ入ってけ〜」というあったかい言葉を聞くと、ありがたいなって思います。
私には方言があってよがったと思います。方言をしゃべるからお年寄りや地方の方により親しみをもってもらいやすいし、すぐに打ちとけられる。きっと、安心してもらえるんじゃないですかね。私の特技は"お年寄りとすぐに仲良くなれること"だってマネージャーさんも言っているくらいです(笑)。

仕事先ではみなさんに「明るいなぁ。唯ちゃんは前向き思考でしょう」って言われるんですけど、じつはけっこう落ち込みやすい性格で、「はぁ〜、今日は辛いことあっだな〜」、「もっとこうすればよがった」と悩みやすいタイプ。
お風呂のなかでも、つい考えごとをしてしまったりします。そんなときは香りをプラスしてリフレッシュしています。アロマテラピーアドバイザーの資格を持っているくらい、香りが大好きでなんです。気分がすっきりするレモンやグレープフルーツなどのかんきつ系の香りが特にお気に入りです。その日の気分で精油をブレンドしてお湯に数滴垂らすだけで簡単に楽しめるから、面倒くさがり屋な私にもぴったりなんです。

そんな私が一人暮らしを始めるときからずっとこだわっていることがあって、それは必ずお風呂とトイレが別の家に住むということ。一人暮らし用の家はユニットバスが多いのですけど、やっぱりお風呂はゆっくり入りたいものだから、これだけはこだわり続けています。 ただ、自宅のお風呂は少し小さめで足まで伸ばすことができません。週に一度、お仕事で大阪に行くときに泊まるホテルのお風呂がすごく広くて思いっきり体を伸ばせるので、そのときにたっぷりとお湯につかって一週間分の疲れを取るようにしています。

(文/佐藤唯)

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