湯煙コラム


■蝶々(ちょうちょう)
「家のお掃除をするように お風呂では自分磨きを」


蝶々(ちょうちょう)

私はお風呂が大好きで、1日に2回入ることも少なくありません。しかも、シャワーで済ませることはなく、2回ともきちんと湯船にお湯を張って入ります。そうやって身体を暖めるとエンジンがかかり、朝から1日ずっと活動的に過ごせるからです。
それに人間は寝ている間に汗などいろいろ分泌しているので、出かける前にはちゃんと入浴して身体を浄化するというわけです。

夜のバスタイムは、昼間と違って身体を洗うだけでなく、そこでゆったり時間を使い、リラックスして眠りの準備をするひととき。ストレッチをしたり電動歯ブラシで時間をかけて歯磨きしたりも。もちろん入浴中の雰囲気も大切で、バスルームの電気を消してアロマキャンドルを灯せば、なんとも言えない心地よさが広がって、まるでお母さんのお腹の中にいるみたいに安心できます。
私がバラ好きなのをご存じのファンの方からよくいただくのが、「バラの花びら入りバスバブル」。これをお湯に入れるとシュワーっと溶けて、湯船いちめんに花びらと香りが広がるんですよ。使った後のお掃除はちょっと大変ですが、なかなかゴージャス気分に浸れます。
あとは、お気に入りの入浴剤や海塩、身体が重いときには日本酒など入れることも。先日伊勢神宮へ行ってきたのですが、そこでいただいたお神酒もなんとなくご利益ありそうで、帰宅後さっそくお風呂に使っちゃいました(笑)。

お風呂でリフレッシュといえば、私は海外のスパへ出かけることもよくあります。そのなかで今一番のお気に入りが、スリランカの「バーベンリゾート」。ここで過ごす数日間は、いわゆるセレブな休日とはほど遠く、訪れるとまず体質チェックに始まり、アーユルベーダ治療を受け、ハーブの薬湯に入り、体質改善に役立つ食事をする…。まるで「健康合宿」です。初めて行った時など、こうして徹底的に体の外と中から毒素を排出することで、大げさでも何でもなく、体中の血がすべて入れ替わり、小学校以来の疲れや凝りが解消された気がしましたね。

このように、海外にも素敵なお風呂や温泉はたくさんありますけれど、日本ほどお風呂そのものが好きな国はほかにないと思います。私たちにとってのお風呂は、身体を清潔に保つとともに、知らない間に体に吸着したり取りこんでしまったよくないものを落として、また元気にしてくれる…そんな、昔から身についた生活の知恵、「お清め」や「みそぎ」感覚のようなものがあり、それが独自のお風呂文化を作りあげてきたのではないかと思うんです。

そう考えてみると、家のお掃除をするのと同じく、お風呂に入り自分をきれいにしておくのがどれほど大切か分かります。忙しいから、疲れているからとシャワーだけでさっと済ませてばかりの毎日と、湯船でしっかり毛穴を開きゆったり呼吸するなど、身体と心の汚れを吐き出しているのとでは大違い。人によっては、こうしたくすみがしっかり顔に出てしまう場合もあるそうですよ。
ですから美容と健康のために、毎日ちゃんとお風呂にお湯をためて、窓ガラスについた手あかや曇りを磨くように自分自身を磨いて、明日また「まっさらぴかぴかの私」になり、たくさんの良いことを全身で受け取る準備をなさってはいかがでしょうか。

(文/蝶々)

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