湯煙コラム


■シェリー(SHELLY)
「日本酒風呂は、ほっこりしっとり『美人の湯』」


シェリー(SHELLY)

突然ですが、私「唎酒師(ききさけし)」の資格を持っているのです。もともとお酒が大好きでしたし、そのことは友人のあいだやテレビ番組などでもよくネタとして取り上げられていたので、「それならこの際、もっと日本酒を極めてみよう!」と思い、チャレンジしました。

唎酒師は、ワインで言う「ソムリエ」のような資格。酒販店や飲食店の方がサービスに役立てる目的で取得するものですから、勉強もかなり本格的でしたよ。講習も受けましたし、試験では酒類全般の基礎知識から始まって、「歴史」「原料」「醸造」「日本酒に合う料理」といった専門知識、テイスティング、面接まで一日かがり。試験当日集まったのは、日本酒に関わる仕事をしている方がほとんどでしたので、私は異色の存在でした(笑)。

そんな「唎酒師・シェリー」が提案するのは、もちろん「日本酒風呂」です。日本酒を入浴剤として使えば、血行や新陳代謝を促進します。身体がほっこり温まってお肌もしっとりするなんて、乾燥肌の気になる私にはありがたいお風呂です。日本酒であればどんな銘柄を使っても問題ありませんが、なかでも私がよく使うのは、生酒でしょうか。生酒って、一度封をあけたらその日のうちに飲みきらないと、どんどん風味が落ちてしまうのです。だから残った生酒は必ずといっていいほど、後日バスタイムに使っていますね。

日本酒のほかは、お風呂の残り湯を洗濯に再利用できるよう、色も香りもなく安心な重曹を入れる日もあります。重曹は大袋で購入しておくと、お風呂だけでなく料理、掃除と、さまざまな用途に大活躍です。そして入浴後は、お気に入りフレーバーのボディバターやワセリンで保湿すれば、身体も気持ちもばっちりです。

実家では、母が「竹酢(ちくさく)」を入浴剤にしていて、毎日使っているんです。独特の匂いはありますが、肌にいいことが実感できると思います。こうした家庭環境が、私の自然派入浴剤好きの原点かもしれません。

うちは姉二人の三姉妹。今は長女も次女も海外で、離れて暮らしています。そんな姉たちが帰国すると、家族全員で箱根の温泉へ行くのが楽しみのひとつなんです。私たちが小さいころから続く年一回の家族旅行ですが、昨年は初めて、1歳の姪も含めた女性4人の姉妹旅行になりました。

欧米は日常、家庭でバスタブにお湯をはりゆったり浸かることはなく、シャワーでさっと済ませるライフスタイルです。スパなどはあっても、大人の女性のためのリラクゼーション施設という位置づけで、乳幼児など連れて行ける場所ではありません。なので、年齢問わず趣向を凝らしたお風呂を楽しめる温泉施設は、姪にはかなり嬉しかったみたいです。帰国したら、ぜひまた一緒に日本のお風呂を楽しみたいですね。

文/シェリー(SHELLY)

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