湯煙コラム


■望月理恵
「ココロがひらくバスタイム」


望月理恵

「お風呂」というと、あわよくば、汗をしっかりかいて痩せる場所。

日本酒を入れ、本を持ってじっくり入る。

たっぷり汗をかいた日は、体重計に乗るんです。

汗の分だけ痩せているのでは・・・と。

しかし、あんまり減ってない。

がっかり。

なんだよーーあの汗は体重に含まれてないのかよーー。

どこに付いていた汗だよーー。

そんな時、ええい、いいやと思いお風呂上がりビールを飲んでしまう。

本末転倒。。 。


そんなことが多々ある私、もっと気楽にお風呂にはいれないものか。

自分の裸と向き合うせいか、リラックスというより、いろんなことを考えちゃう時間ですね。

でも、誰にもいえないことを考えてる時間。

何をって・・それはいえないことをです(恥)


そ〜んな感じで普段はお風呂というともっぱら一人の時間ですが、たまにゴルフや温泉に行った時、友達や親とお風呂を共にします。

これがまたいいんです。

どうせ裸なんだし、心も開いちゃえ〜ってかんじになるんですかね。

いきなり、「彼以外に好きな人がいるの」と告白されたり、仕事の悩みをうちあけられたり、自分も「絶対秘密ね〜〜」なんていうお話をしたり。

よく昔のテレビドラマで「背中でも流してやるか」みたいな親子の会話。

ありましたよね。

警察でカツ丼が出てくるみたいに、心通じ合わせる空気を発するような 気がします。

素になれるというか。


私の実家は兵庫県で、有馬温泉まで30分。

久々に実家に帰った時は、両親と一緒に日帰り温泉旅行へ行きます。

昼食付きのプランがあって一日旅館の部屋を借りて、温泉に入りくつろげるのです。

必然的に私は母と温泉に入ることになるのですが、さすが親子。

久々に裸を見せ合っても全然平気。

「あら理恵太ったんちゃう?」
「そうやねんーー。

どうしよう。

「最近おかあさん、ダンスしてるから結構しまってるよ〜」
「へ〜〜、私も運動したいねんけどな〜」
「そうそう、この間おいしい和食屋さん見つけてん!」
「あ、ネックレス買ったからあとで見せてあげる〜〜」
「理恵聞いて〜〜あのね〜〜」
という、なんでもない会話がお風呂の中で繰り広げられます。

でも、、、あれれ、これって親子というより女同士の会話。


裸で向き合った母は「母」ではなく「女」になっているんです。

そんな風に感じるのは現在34歳、この歳になったからかもしれません。

母はず〜と女だったけれど、私の目からは母という存在が大きく、女であることを忘れていました。

それが、裸でお風呂に入った時、不思議と女としてかわいい人にみえたんです。


お風呂って自分だけの楽しみでもありますが、人と素直にふれあえる素敵な空間だと思います。

「裸を見せるやつに悪いやつはいない。」

そんなことわざないっか。

(文:望月理恵)

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