湯煙コラム


■藤村俊二
「オ風呂ード」


藤村俊二

まだ見たことはありませんが、“カラスの行水”・・・私、それ以下かも知れません。


毎日ほとんどシャワー。


お風呂の中でもの想う、沈思黙考、とてもとても・・・・・・お温り程度につかるゴルフあとの湯、温泉詣での長旅の夜、カラダ休めのただボーッと湯

ひたすらリフレッシュのみの、ザバーシャワシャワサバーコシュコシュサーッパッ!

でも、やっぱりお湯でなけりゃ・・・ンなわけで、先日キューバへ行ってまいりました。


ハバナ旧市街、由緒ある、さるとあるホテル、八泊の間、お湯が出たのは三回だけ・・・
“ヘイ湯ゥアミーゴ”

やっぱりお湯ですネ!この時ほどバスタブにたっぷり浸りたいと思ったことはございません。


もしその時、湯船に身を任せていたら、エネルギーのこと、政治経済のこと、国家のこと、はたまた人類のことなど考えていたのかも知れません・・・・・・。


でも、只今も又、ものも考えずシャワーの毎日。


だもんで、私のお風呂はオフロード。

そんな私ではございますが、ひそかに考えていることがございます。


何処か山を背負って海を望むそんなところに、家のまわりが全部お風呂・・・・・・それなら屋上に創ればいいじゃないかとお思いでしょうが、そうじゃないんです、ダメなんです。


入口を除きぐるりがお風呂なんです。


どこの部屋からでもお風呂に入れるんです。

ですから、全部の部屋がお風呂付きなんです。


もう名前もつけてあるんです。

“オムニバス”。

山を見たけりゃ山をみる、海を見たけりゃ海を見て、見たくなければ横を向く、如何でしょうか・・・。


私めがくり返している毎日の生活の中の入浴ではない、日常に非ずの湯。


いくつかの短編を一つのテーマでまとめた湯、“オムニバス”。


テーマは勝手、ストーリーはそこに入ってから考えましょう。

入った人が主役でネ。


湯アーソービューティフル

(文:藤村俊二)

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